匂草匂鳥の頃思う
昨日の朝、寝床で ほー ほけきょ
・・・や、春告鳥の鳴くを聴く。
もうそんな季節かと、年々加速度つく時の流れをしみじみ感じ入る。
「ほけきょ=法華経」で、経読鳥との別称もあるようだ。駄洒落た感が微妙で良いと思う。
今朝、久しぶりに実家へ。
花の兄もそろそろ咲く頃合いか。
紅白の蕾は丸く、近いうちその香りを楽しませてくれるだろう。
春の風を見る・春の風を待つ。
風見草・風待草とは、なんとも趣きある別称だ。
梅に鶯。日本語の豊かさ。
なにかと酒の機会が多かった。
人付き合い悪い自分にとっては珍しく、今年の三月は近年稀に見る酒席の多さ。
久しぶりの面々。会う事も稀になる人々。
君に勧む金屈巵 満酌辞するを須いず
花發けば風雨多く 人生別離足る 于武陵
この盃をうけてくれ
どうぞなみなみつがしておくれ
花に嵐のたとえもあるぞ
さよならだけが人生だ 井伏鱒二訳
詩も和訳も堪らん。
暗くならない恬淡さと潔さ。
盃挙げ 幸多かれと 言祝ぎ 祈安する。