よしなしごと

いちセラピストの日々徒然

物語る背景

「ナーン・ナークの物語は、タイ人なら誰もが知っている幽霊譚である。」

ピーマークのDVDを頂戴したのは、2年程前か。吹き替え無し。難易度高過ぎ。

でも、怖かったし笑ったし号泣した。
ナーン・ナークの換骨奪胎。優れたエンターテイメントって、言葉を超える(笑)。


物語の成形は、19世紀半ば以降20世紀初頭らしい。
タイが近代国家へ編成されていく時代だ。
ラーマ5世(在位1868~1910)
ラーマ6世(在位1910〜1925)
ヨーロッパ列強の植民地化を回避する為、ナショナリズムを高め社会構造の変革をなしていく。
「国家」「宗教」「国王」の三本柱の概念を発展(現在の国旗)。
ここでの上座部仏教の役割は、大きい。
タイにおけるピー信仰は、民族の普遍的無意識と云っていいだろうか。
ターイタンクロム(産褥死)からナークはピー(悪霊)となり、プラカノーンの村人から恐れられる。呪術師(民間信仰)の調伏は失敗し、最終的にナークを調伏出来たのはバンコクから来た仏教僧(国家宗教)だ。
土着のピー信仰を取り込み、国教たる仏教の周縁化におく。
今伝わるナーン・ナークの物語は、近代国家構築のためのプロパガンダだったのだと思う。


津村文彦氏
『ナーン・ナークの語るもの』
非常に面白い読み物だった。


  • 1902年 サンガ統治法の交付
  • 1905年 王太子時代のラーマ6世が「ナーン・ナーク・プラカノーン第2部」を偽名で発表。
  • 1912年 ナラーティッププラパンポン親王「イー・ナーク・プラカノーン」の脚本を執筆し、上演。
  • 1917年 三色旗の国旗が採用。
  • 1924年 プラパーシー作の詩「メー・ナーク・プラカノーン」が出版。